2010年01月31日

「法案は明らかに違憲」 外国人参政権の理論的支柱が自説を撤回

                     産経新聞2010.1.28
 外国人に地方参政権を付与できるとする参政権の「部分的許容説」を日本で最初に紹介した長尾一紘(かずひろ)中央大教授(憲法学)は28日までに産経新聞の取材に応じ、政府が今国会提出を検討中の参政権(選挙権)付与法案について「明らかに違憲。鳩山由紀夫首相が提唱する東アジア共同体、地域主権とパックの国家解体に向かう危険な法案だ」と語った。長尾氏は法案推進派の理論的支柱であり、その研究は「参政権付与を講ずる措置は憲法上禁止されていない」とした平成7年の最高裁判決の「傍論」部分にも影響を与えた。だが、長尾氏は現在、反省しているという。

 長尾氏はドイツにおける部分的許容説に影響を受け、昭和63年に論文「外国人の人権−選挙権を中心として」を発表。「地方議会選挙において、外国人に選挙権を認めることに、憲法上特段の障害は存在しない」と主張し、「部分的許容説は合憲」との立場をとった。ただ、当時から「政策論としての(参政権)導入には大反対だった」という。
昨年9月に民主党政権が誕生し、外国人への地方選挙付与が現実味を帯びたことで、長尾氏は自説に疑義を抱き始めた。政治思想史の文献を読み直し、昨年12月の段階で、理論的にも状況の変化という理由からも、「部分的許容説は維持できない。違憲である」との結論に達した。

 また、昨年2月、韓国での在外選挙権法成立で、在日韓国人が本国で国政参政権を行使できるようになり、状況は一変したと考えた。長尾氏は「現実の要素が法解釈に影響を与える『立法事実の原則』からも、部分的許容説はもはや誤りである」と語る。自身が学説を紹介したことで外国人参政権付与が勢いづいたことに関しては「私の読みが浅かった。慚愧(ざんき)に堪えない」と述べた。

 さらに、焦点は「在日韓国人問題から中国人問題に移る」との認識を表明。政府が法案提出を検討していることについては、「とんでもない。国家解体に向かう最大限に危険な法律を制定しようというのは、単なる憲法違反では済まない」と警鐘を鳴らした。
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外国人参政権をめぐる長尾教授インタビュー詳報「読みが浅かった」
2010.1.28 21:52

産経新聞の取材に応じる長尾一紘中央大教授(憲法学)=27日午後、東京都八王子市の中央大キャンパス 外国人への地方参政権付与は合憲としてきた長尾一紘(かずひろ)・中央大教授が、従来の考えを改めて「違憲だ」と明言した。主なやりとりは次の通り。

 −−地方参政権を認める参政権の部分的許容説に対する今のスタンスは

 「過去の許容説を変更して、現在は禁止説の立場を取っている。変える決心がついたのは昨年末だ」

 −−部分的許容説を日本に紹介したきっかけは

 「20年くらい前にドイツで購入した許容説の本を読み、純粋に法解釈論として合憲が成立すると思った。ただ、私は解釈上は許容説でも、政策的に導入には反対という立場だった」

 −−許容説から禁止説へと主張を変えたのはいつか

 「民主党が衆院選で大勝した昨年8月から。鳩山内閣になり、外国人地方参政権付与に妙な動きが出てきたのがきっかけだ。鳩山由紀夫首相の提唱する地域主権論と東アジア共同体論はコインの裏表であり、外国人地方参政権とパックだ。これを深刻に受けとめ、文献を読み直し、民主党が提出しようとしている法案は違憲だと考え直した」

 −−考え直した理由は

 「2つある。1つは状況の変化。参政権問題の大きな要因のひとつである、在日外国人をめぐる環境がここ10年で大きく変わった。韓国は在外選挙権法案を成立させ、在日韓国人の本国での選挙権を保証した。また、日本に住民登録したままで韓国に居住申告すれば、韓国での投票権が持てる国内居住申告制度も設けた。現実の経験的要素が法解釈に影響を与える『立法事実の原則』からすると、在日韓国人をめぐる状況を根拠とすることは不合理になり、これを続行することは誤りだと判断した」
−−もうひとつは

 「理論的反省だ。法律の文献だけで問題を考えたのは失敗だった。政治思想史からすれば、近代国家、民主主義における国民とは国家を守っていく精神、愛国心を持つものだ。選挙で問題になるのは国家に対する忠誠としての愛国心だが、外国人にはこれがない。日本国憲法15条1項は参政権を国民固有の権利としており、この点でも違憲だ」 −−ほかには

 「許容説の一番最先端を行っているドイツでさえ、許容説はあくまでも市町村と郡に限られる。国と州の選挙の参政権はドイツ国民でなければ与えられない。一方、鳩山首相は地域主権論で国と地方を並列に置き、防衛と外交以外は地域に任せようとしている。最先端を行くドイツでさえ許していないことをやろうとするのは、非常に危険だ」

 −−政府・民主党は、外国人地方参政権(選挙権)付与法案を成立させたい考えだが

 「とんでもないことだ。憲法違反だ。国家の解体に向かうような最大限に危険な法律だ。これを制定しようというのは単なる違憲問題では済まない」
 −−付与の場合の影響は

 「実は在日韓国人より、中国人の方が問題だ。現在、中国は軍拡に走る世界で唯一の国。中国人が24日に市長選があった沖縄県名護市にわずか千人引っ越せば、(米軍普天間飛行場移設問題を焦点とした)選挙のキャスチングボートを握っていた。当落の票差はわずか1600票ほど。それだけで、日米安全保障条約を破棄にまで持っていく可能性もある。日本の安全保障をも脅かす状況になる」

 −−学説の紹介が参政権付与に根拠を与えたことは

 「慚愧(ざんき)に堪えない。私の読みが浅かった。10年間でこれほど国際情勢が変わるとは思っていなかった。2月に論文を発表し、許容説が違憲であり、いかに危険なものであるのか論じる」(小島優)
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【私も言いたい】外国人参政権 「国籍取得が前提」97%
                    産経新聞2010.1.28

 今回のテーマ「外国人参政権」について、26日までに2万4869人(男性1万8710人、女性6159人)から回答がありました。「参政権付与は憲法違反と思う」「参政権は国籍取得が前提」は9割を超えました。

 (1)参政権付与は憲法違反と思うか

 YES→97%、NO→3%

 (2)納税は参政権の根拠になると思うか

 YES→4%、NO→96%

 (3)参政権は国籍取得が前提と思うか

 YES→97%、NO→3%

      ◇

  ◯国益を考えるべきだ

 東京・男性会社員(30)「日本の将来を日本人が決めるという考えは当たり前ではないか。地方は国を構成する上で重要。地方参政権を外国人に認めるのは日本の主権を脅かすことにつながる」

 青森・男性医師(40)「納税を理由に参政権を与えている国はないと聞く。在日特権や外国人の登録に関する問題などの法律を改正せず参政権だけを与えるのは、日本人にとって不利益しか生じない」

 広島・男性医師(57)「民主党は日本を捨てる気か。どの国でも国籍を持たない限り、選挙権はない。外国人が選出されればその議員の国策に同調し日本の意見はなくなる」

 オーストラリア在住・男性会社員(46)「国籍のない居住者に参政権を与えている国はほとんどないのに、なぜ日本が税金を払っているだけで参政権を与えなくてはいけないのか理解できない。参政権が欲しければ帰化するなど、その国の国籍を取得すべきだ」

 静岡・男性アルバイト(59)「日本への内政干渉の可能性が出てくる外国人地方参政権は、日本の国益を守る立場から絶対に与えてはいけない。鳩山民主党は、もっと国益を考えて行動してほしい」

 福岡・男性会社員(53)「無条件に外国人に永住を認めるのは、いかがなものか。帰化するのかどうか本人の決意を確認すべきだ」

 東京・男性会社員(51)「所得税や住民税は参政権の対価ではない。税金を払っているから参政権を、というのは議論のすり替えだ」

 ●国際的に孤立する

 福井・男性会社員(21)「参政権を認め、日本をグローバルな国にすべきだ」

 広島・男性会社員(48)「頭ごなしに否定はしない。しかし、日本への忠誠心や言葉の審査などハードルは上げる必要がある」
愛知・男性無職(78)「日本には異民族を排除する考え方がまだまだ強い。このままでは国際的にも孤立していくだろう」

 神奈川・女性アルバイト(20)「たくさんの外国人が日本に定住している以上、地方自治体の運営にかかわるのは当然だ」

 京都・主婦(47)「海外に長期間住んでいたとき、地方選挙の選挙権を与えられた。その国に住み税金を払っているならば、税金の使われ方に対して意見を言う権利があるのは当然。日本人は税金の使われ方に対する意識が低すぎると思う」

      ◇

 【外国人参政権付与】 論議されているのは、永住外国人に地方参政権を付与するという案。ただ、憲法では「公務員の選任、罷免は国民固有の権利」と規定している。国籍のない者に認めることは憲法に抵触する恐れもあるが、専門家でも意見が分かれている。海外をみると、韓国は一部の外国人に地方参政権を付与、中国や北朝鮮は認めていない。ヨーロッパの一部は「相互主義」で認めているが世界的には少数派、アメリカはグリーンカード(永住権)があっても認めていない。
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2010年01月29日

政党交付金(その2)Q 使途は

 政党助成法は、毎年、政党交付金による支出の総額や項目別の金額、支出の相手方などを記した使途等報告書を提出することを義務づけている。公認会計士や監査法人の監査を受け、監査報告書も同時に提出するよう求めている。
 政党交付金の使途に制限はないが、各党は世論の批判を受けないよう、内規を設けて支出している。
 民主党は全国の支部にハンドブックを送付し、政党交付金を飲食費などに充てないよう指示。自民党も、人件費や調査費、宣伝広報費などに使途を限定するよう求める指導要領を策定している。
 自民党関係者は「カネに色は付いていない。批判を受けない人件費や政策研究に関する費用は政党交付金から支出したことにし、飲食費などは献金やパーティー収入から支出したことにして計算するのが普通だ」と指摘する。
 こうした中で異彩を放っているのが、自由党の政党交付金の扱いだ。
 自由党の政治資金収支報告書によると、自由党は解散前年の02年、藤井裕久幹事長(前財務相)に15億2930万円、03年に6685万円を支給している。
 自由党関係者は「巨額の資金が実際に藤井氏に寄付されたとは考えにくい」として、使途を不透明にし、支出しやすくする狙いがあったのではないかと指摘する。
 この背景には、政党が政治家個人に資金を寄付する場合は、金額の上限の規制もなく、その後は使途報告書の提出などの義務もないことがある。
 民主党も、小沢氏が代表に就いた後の06年以降、「組織対策費」という名目で特定の議員に資金を集中させる例がある。
 民主党の政治資金収支報告書によると、06〜08年の間、財務委員長と国会対策委員長を務めた山岡賢次衆院議員に計17億310万円、財務委員長を務めた佐藤泰介参院議員に計5億3000万円が支出された。
この2人に計22億3310万円が集中したことになる。
 この支出について、佐藤氏は「組織のために使用した。法に従って適切に処理した。予算などは党大会できちんと承認されている」と述べ、問題はないと強調する。山岡氏の事務所は取材に回答していない。
読売新聞1月28日
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政党交付金 導入の経緯

主要国の政党助成金制度500.jpg

政党交付金分配額500.jpg

10年分の配分予定額は、09年衆院選で大勝した民主党が初めて自民党を逆転、制度導入以来最高となる172億9700万円程度となる見込みだ。
 政党助成法には、政党が不正に政党交付金を受け取った場合などに総務相が返還を命じることができるとの規定がある。返還命令が出たのは、07年10月、玉沢徳一郎・元農相が支部長を務めていた自民党岩手県第4選挙区支部が03年分の領収書を改ざんするなどして政党交付金使途等報告書を訂正した問題で、同党が255万2800円の返還を命じられたケースだけだ。
 国立国会図書館の調べによると、09年1月現在、政党に対する公的助成は、イギリスやドイツ、フランス、オーストリア、韓国などが導入している。このうち、韓国は、国庫補助金を受けた政党が解党した場合は残額を返還することを義務付けている。
 政党への公的助成は、リクルート事件で政治不信が高まり、政治改革が最大の課題となった1989年から検討が本格化した。政治家個人による政治資金集めが腐敗の温床になっているとして、個人の資金集めを抑制する代わりに、国が政治資金を補填する狙いがあった。
 政府の第8次選挙制度審議会は90年7月に公的助成の導入を答申した。西ドイツ(当時)やスウェーデンを参考に政党の国政選挙での得票率や所属国会議員数で配分額を決めるという内容だ。
 海部内閣は91年、この内容を盛り込んだ政党助成法案など政治改革関連法案を国会に提出した。自民党内の反対で廃案に終わったが、政治改革を旗印にした政界再編を経て、非自民の細川連立内閣が改めて政治改革関連法案をまとめ、93年に国会に提出。細川首相と河野洋平自民党総裁(当時)の党首会談を経て、政党助成法は94年1月に成立、95年1月に施行された。
 細川内閣の山花貞夫政治改革担当相は国会答弁で、政党交付金総額の根拠について、政党と国会議員の関係政治団体の年間支出総額(89年から3年間の平均)を1244億円と算出し、その3分の1だと説明した。
「3分の1」というのは、海部内閣当時の政府内の論議が根底にある。政党の支出は、「党費や個人献金」「企業・団体献金」「公的助成」でそれぞれ3分の1ずつ賄うのが望ましいとされたのだ。2007年分の政党交付金を受け取った6党(本部・支部)の収入に占める政党交付金の割合は33・1%で、ほぼ3分の1となっている。
 毎年の政党交付金の総額は、直近の国勢調査人口に1人当たり250円を乗じて算定される。国勢調査人口のため、在日外国人も計算に入る。
 2010年分の総額は05年国勢調査に基づき、319億4199万9000円だ。政党が交付を受けるには@所属国会議員が5人以上A国会議員がいて、直近の衆院選、最近2回の参院選の、選挙区選か比例選のいずれかで全国を通じた得票率が2%以上−のどちらかの要件(政党要件)を満たす必要がある。政党は1月1日を基準日として、総務相に所属国会議員数と得票数などを届け出る。
 各党への配分額は、総額の半分は所属議員数に応じて、残り半分は得票数に応じて計算される。衆院選、参院選があった場合は改めて算定する。共産党は要件を満たしているが、制度に反対し、届け出ていない。
 読売新聞社の試算では、10年分の配分予定額は、09年衆院選で大勝した民主党が初めて自民党を逆転、制度導入以来最高となる172億9700万円程度となる見込みだ。
 政党助成法には、政党が不正に政党交付金を受け取った場合などに総務相が返還を命じることができるとの規定がある。返還命令が出たのは、07年10月、玉沢徳一郎・元農相が支部長を務めていた自民党岩手県第4選挙区支部が03年分の領収書を改ざんするなどして政党交付金使途等報告書を訂正した問題で、同党が255万2800円の返還を命じられたケースだけだ。
 国立国会図書館の調べによると、09年1月現在、政党に対する公的助成は、イギリスやドイツ、フランス、オーストリア、韓国などが導入している。このうち、韓国は、国庫補助金を受けた政党が解党した場合は残額を返還することを義務付けている。
読売新聞1月28日
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