2010年01月29日

政党交付金(その2)Q 使途は

 政党助成法は、毎年、政党交付金による支出の総額や項目別の金額、支出の相手方などを記した使途等報告書を提出することを義務づけている。公認会計士や監査法人の監査を受け、監査報告書も同時に提出するよう求めている。
 政党交付金の使途に制限はないが、各党は世論の批判を受けないよう、内規を設けて支出している。
 民主党は全国の支部にハンドブックを送付し、政党交付金を飲食費などに充てないよう指示。自民党も、人件費や調査費、宣伝広報費などに使途を限定するよう求める指導要領を策定している。
 自民党関係者は「カネに色は付いていない。批判を受けない人件費や政策研究に関する費用は政党交付金から支出したことにし、飲食費などは献金やパーティー収入から支出したことにして計算するのが普通だ」と指摘する。
 こうした中で異彩を放っているのが、自由党の政党交付金の扱いだ。
 自由党の政治資金収支報告書によると、自由党は解散前年の02年、藤井裕久幹事長(前財務相)に15億2930万円、03年に6685万円を支給している。
 自由党関係者は「巨額の資金が実際に藤井氏に寄付されたとは考えにくい」として、使途を不透明にし、支出しやすくする狙いがあったのではないかと指摘する。
 この背景には、政党が政治家個人に資金を寄付する場合は、金額の上限の規制もなく、その後は使途報告書の提出などの義務もないことがある。
 民主党も、小沢氏が代表に就いた後の06年以降、「組織対策費」という名目で特定の議員に資金を集中させる例がある。
 民主党の政治資金収支報告書によると、06〜08年の間、財務委員長と国会対策委員長を務めた山岡賢次衆院議員に計17億310万円、財務委員長を務めた佐藤泰介参院議員に計5億3000万円が支出された。
この2人に計22億3310万円が集中したことになる。
 この支出について、佐藤氏は「組織のために使用した。法に従って適切に処理した。予算などは党大会できちんと承認されている」と述べ、問題はないと強調する。山岡氏の事務所は取材に回答していない。
読売新聞1月28日
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政党交付金 導入の経緯

主要国の政党助成金制度500.jpg

政党交付金分配額500.jpg

10年分の配分予定額は、09年衆院選で大勝した民主党が初めて自民党を逆転、制度導入以来最高となる172億9700万円程度となる見込みだ。
 政党助成法には、政党が不正に政党交付金を受け取った場合などに総務相が返還を命じることができるとの規定がある。返還命令が出たのは、07年10月、玉沢徳一郎・元農相が支部長を務めていた自民党岩手県第4選挙区支部が03年分の領収書を改ざんするなどして政党交付金使途等報告書を訂正した問題で、同党が255万2800円の返還を命じられたケースだけだ。
 国立国会図書館の調べによると、09年1月現在、政党に対する公的助成は、イギリスやドイツ、フランス、オーストリア、韓国などが導入している。このうち、韓国は、国庫補助金を受けた政党が解党した場合は残額を返還することを義務付けている。
 政党への公的助成は、リクルート事件で政治不信が高まり、政治改革が最大の課題となった1989年から検討が本格化した。政治家個人による政治資金集めが腐敗の温床になっているとして、個人の資金集めを抑制する代わりに、国が政治資金を補填する狙いがあった。
 政府の第8次選挙制度審議会は90年7月に公的助成の導入を答申した。西ドイツ(当時)やスウェーデンを参考に政党の国政選挙での得票率や所属国会議員数で配分額を決めるという内容だ。
 海部内閣は91年、この内容を盛り込んだ政党助成法案など政治改革関連法案を国会に提出した。自民党内の反対で廃案に終わったが、政治改革を旗印にした政界再編を経て、非自民の細川連立内閣が改めて政治改革関連法案をまとめ、93年に国会に提出。細川首相と河野洋平自民党総裁(当時)の党首会談を経て、政党助成法は94年1月に成立、95年1月に施行された。
 細川内閣の山花貞夫政治改革担当相は国会答弁で、政党交付金総額の根拠について、政党と国会議員の関係政治団体の年間支出総額(89年から3年間の平均)を1244億円と算出し、その3分の1だと説明した。
「3分の1」というのは、海部内閣当時の政府内の論議が根底にある。政党の支出は、「党費や個人献金」「企業・団体献金」「公的助成」でそれぞれ3分の1ずつ賄うのが望ましいとされたのだ。2007年分の政党交付金を受け取った6党(本部・支部)の収入に占める政党交付金の割合は33・1%で、ほぼ3分の1となっている。
 毎年の政党交付金の総額は、直近の国勢調査人口に1人当たり250円を乗じて算定される。国勢調査人口のため、在日外国人も計算に入る。
 2010年分の総額は05年国勢調査に基づき、319億4199万9000円だ。政党が交付を受けるには@所属国会議員が5人以上A国会議員がいて、直近の衆院選、最近2回の参院選の、選挙区選か比例選のいずれかで全国を通じた得票率が2%以上−のどちらかの要件(政党要件)を満たす必要がある。政党は1月1日を基準日として、総務相に所属国会議員数と得票数などを届け出る。
 各党への配分額は、総額の半分は所属議員数に応じて、残り半分は得票数に応じて計算される。衆院選、参院選があった場合は改めて算定する。共産党は要件を満たしているが、制度に反対し、届け出ていない。
 読売新聞社の試算では、10年分の配分予定額は、09年衆院選で大勝した民主党が初めて自民党を逆転、制度導入以来最高となる172億9700万円程度となる見込みだ。
 政党助成法には、政党が不正に政党交付金を受け取った場合などに総務相が返還を命じることができるとの規定がある。返還命令が出たのは、07年10月、玉沢徳一郎・元農相が支部長を務めていた自民党岩手県第4選挙区支部が03年分の領収書を改ざんするなどして政党交付金使途等報告書を訂正した問題で、同党が255万2800円の返還を命じられたケースだけだ。
 国立国会図書館の調べによると、09年1月現在、政党に対する公的助成は、イギリスやドイツ、フランス、オーストリア、韓国などが導入している。このうち、韓国は、国庫補助金を受けた政党が解党した場合は残額を返還することを義務付けている。
読売新聞1月28日
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