2008年10月20日

中国の少数民族支配と搾取には共通のノウハウ

 中国の少数民族支配と搾取には共通のノウハウ
  「人権」の問題は本質ではなく、侵略者がそこにいまもいる、のが大問題だ
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 欧米は中国の少数民族支配を「人権」の視点で捉えている。
 ここで言う「少数民族」とはチベット、ウィグル、南モンゴルなど。
 人権問題は、しかしながらコトの本質ではない。基本は他人の国を侵略し、略奪の限りを尽くした後も、その残忍な侵略者が、まだそこにいて、残虐無比な支配を続行しているという事実である。

 中国共産党の少数民族「支配」のノウハウには下記の七つの共通項がある。

 第一は言語政策と歴史教育である。徹底した普通語(北京語)教育を小学生から強制して教え込み、民族独自の言葉を若者から奪った。
チベットでもウィグルでも若者の多くが、いまや伝統的な言葉を喋れない。大学入試も公務員試験も、自動車免許も北京語である。
 民族が伝統的な言語を失うと、歴史の記憶も希薄になり、やがて民族のアイデンティティを失う。
それが中国共産党の長期的戦略にもとづく少数民族支配の基本原理になる。

 第二は党細胞が、侵略した地域の奥地に至るまで確立されており、行政が末端に及んでいると豪語している。
 実態は漢族が基軸の党細胞で、田舎へ行けば行くほど都会で死滅寸前の「當案」(個人の監察プロフィル)が生きている。
 したがって支配階級(=党)に反旗を翻そうと組織行動をとれば、すぐに弾圧される。

 第三は資源の盗掘を「地域の経済発展」だと嘯いていることだ。
たとえばチベットでは「農奴」を解放してやったなどとして軍の侵略を正当化しているが、チベットは遊牧の民で農奴はいなかった。
チベットの水資源は長江、黄河に流れ込んでいる。
 ウィグルは核実験場として、或る研究レポートでは19万人が被爆して死亡したという。広島の直接の爆死者より多い。そのウィグルで原油とガスを漢族の「企業」が盗掘し、上海など漢族の生活圏へ輸送している。
地元に利益還元は殆どされず、たとえ利益還元があっても、それは地元の共産党幹部しか潤っていない。
 モンゴルからも石炭や鉱物資源が盗掘されている。

 第四は徹底した宗教弾圧である。
 ポタラ宮殿は千もの部屋があるが、いたるところに公安がいる。多くの仏教寺院には境内のなかに公安の詰め所、大伽藍のある宗教設備にはパトカーが常時駐機している。
 モスクはかたちが残るだけで朝のお祈り風景は見られず、いやコーランが禁書であり、宗教音楽さえ聴くことは稀である。
 だから人々は「どうぜスパイが混入した表通りの寺院やモスクへは行かない」。キリスト教の多くは地下教会でお祈りをする。

 第五は都市設計である。
 フフホトではモスクの周囲に異民族の新しい移住があり、チベット仏教の周りはイスラム街区となっている。
ラサでもモスクが目を引く。ムスリムが大量にチベットに移住させられている。
 こうして異教徒をモザイク状に配置して民族同士の紐帯を阻害し、分断し、支配を強固なものにするのである。


 ▲漢族以外の「少数民族」に対しては人間の尊厳が無視されている

 第六は民族浄化。雇用差別である。
典型例がウィグルの少女達の「集団就職」である。山東省の工場に押し込められて外出の機会がほとんど無い。あげくは漢族男性との結婚を勧められ、長い期間をかけての民族浄化が巧妙なスタイルで行われるわけだ。
 ウィグルには、革命後は多くの満州族が強制移住された。その後、漢族の移住が推薦され、省都ウルムチは90%が漢族の街となった。現地では漢族に就職が斡旋され、アパートが提供された。
 このウィグルを十六年の長きにわたって支配しているのが王楽泉(新彊ウィグル自治区党書記)である。
 この男は山東省出身で、かれの周りは山東マフィアが取り巻き、実弟らが利益集団を形成している。
「テロリストの対象になっている」と嘯いて大勢のボディガードに囲まれて移動する。民衆の怨嗟の的になっていることだけは自覚しているらしい。
漢族以外の「少数民族」に対しては「人間の尊厳」が無視されている(そもそも数百万のチベット族、ウィグル族、モンゴル族を「少数」と規定する語彙の使用そのものが、政治的意図をもった言葉による詐術である)。
欧米の唱える「人権」は、そうした文脈では有益な政治運動であるが。。。

 第七は軍事優先ですべてがなされていることで、民主主義って、それ何?という感じである。チベット居住区(チベット自治区、四川省、青海省、甘粛省にまたがる)には合計五十万といわれる人民解放軍ならびに武装人民警察が駐屯している。
 ウィグルには70万人と言われる。
 反漢族への反乱が起きたとき、軍事的にひねりつぶすため、対外戦争の筈の軍が対内戦争の準備のために割かれているのである。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)10月20日(月曜日) 通巻第2352号 から引用

posted by Depot at 09:06| Comment(0) | TrackBack(0) | D/B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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